映画楽曲から読み解く、呪いの発生源
呪い――それは、人の不幸を願う念(おも)い。
現代の人々は、気づいていない。
この世界には呪いが飛び交っており、呪い返しが必要であることを――
「呪い」とは相手の不幸を願う心
「呪い」という言葉を聞くと、多くの人は、「わら人形に五寸釘で…」といったイメージを持つかもしれません。
「呪い」とは、人をうらやんで嫉妬する心や、嫌悪感、恨み心など、「人の不幸を願う心」。その思いを持ち続けていると、自分でも知らないうちに生霊となって相手を苦しめ、怪我や事故、病気を引き起こすこともあります。
現代は、SNSの誹謗中傷、受験戦争、ハラスメント、テレビ番組など、日常の様々なシーンで「呪い」が飛び交い、呪いが呪いを呼ぶ「負の時代」。
現代人は、目に見えない世界で呪いが飛び交っていることに気づいていません。情報化が進んだ現代こそ「呪い」は拡散されやすいのです。
現代に飛び交う「呪い」を返す“呪い返し師”塩子
10月7日に公開した映画『呪い返し師―塩子誕生』 は、現代社会にはびこる「呪い」を“呪い返し師”である賀茂野塩子が払っていくストーリー。
塩子は人々の「誠実かつ、切実な願い」に応え、悩みや苦しみの裏にある呪いの心を、仏陀の法に基づいた「善悪の判定」によって払っていきます。
人を呪い続けると地獄界の悪霊を引き寄せ、呪った自分も死後、地獄に堕ちることになる。呪いとは、悪霊や悪魔を増やし、地獄界を拡張させるものです。
仏と仏の教えという「聖なるもの」を守り、仏が願われる世界を実現するため、塩子は呪い返し師として、人々の呪いを払っているのです。
映画楽曲から読み解く、呪い返しの心構え
本作では呪いの発生源となる5つの心が描かれています。
それぞれの章を象徴する、呪いの心を歌った楽曲も本映画の大きな魅力。「呪いの時代」「心の三毒」「さらば、うぬぼれ天狗」の3曲から、呪いの発生源となる心を学んでみましょう。
楽曲「呪いの時代」
大川隆法総裁は著書『呪いについて』 の中で、呪いの発生源として「『嫉妬』がいちばんメジャーなもので、いちばん多いものです。」 と述べています。
映画の序章では、同級生への「うらやましい」が「恨めしい」「憎い」まで発展し、相手の不幸を願い、呪い続けた結果、生霊になってしまう女子生徒が描かれました。
楽曲「呪いの時代」の歌詞には「人を呪って幸福にはならない」という一節があります。
嫉妬する相手は、実は「こうなりたい」と強く願っている“理想像”であることが多いのです。嫉妬する心をとどめ、相手を祝福することで呪いの苦しみから相手と自分を解放することが出来ます。
自分の不幸を他人のせいにせず、他人の不幸を願うことなく、呪いの心から脱却する心構えが歌われた「呪いの時代」は、作中の塩子の「人に嫉妬する前に、まずは自分の醜い心を変えなさい!」というセリフと共に深く味わっていただきたい楽曲です。
楽曲「心の三毒」
「貪・瞋・癡」は仏教では「心の三毒」といい、善性を毒する三種の煩悩として知られています。
「貪」とはお金・恋愛・肩書など、欲しければ人のものでも奪う、足ることを知らない欲望の念い。
「瞋」とはカーッと湧き上がる怒りにまかせて見境なく人を罵倒、攻撃する念い。
「癡」とは神や仏の教えを知らない愚かさゆえに、人を迷わせる念い。
自分が良ければほかの人から奪ってもいいと考え、詐欺行為を働くナガサキの「貪」。
怒りを抑えきれず周囲に怒り散らす秀夫。そして秀夫への怒りで子供たちに当たる晴美たち夫婦の「瞋」。
霊的なものを否定し、神仏が創られた世界を否定する唯物論者の北村は「癡」を表しています。
死後、地獄に堕ちる原因のほとんどは心の三毒と言われています。
人を呪わないためにも、呪いを跳ね返すためにも、心の三毒を点検し、心の統御を学ぶことが大切です。
楽曲「さらば、うぬぼれ天狗」
映画のクライマックスでは「大天狗」と塩子の決闘が描かれます。天狗は自分が最も優れていると思い上がっていて、「自分さえ良ければ、他人はどうなっても良い」という自己中な存在。
映画の中で塩⼦は「天狗は『⾃⼰実現』が⼤好きだけど、『反省が嫌い』で『他⼈に対する愛が徹底的に⾜りない』のが特徴」と⾔及しています。
うぬぼれと慢⼼が強く、努⼒も感謝も反省もしない天狗は仏陀の御⼼に反しています。
⾃慢ばかりで“⿐が伸びている”⼈には、天狗の霊が近寄ってくるので注意が必要です。たとえ⼀時は成功したように⾒えても、実⼒を勘違いして慢⼼していると「⾼転び」することも。
「⾃分のために世界があると思うな。世界のために⾃分があると思え!それが愛の⼼だ!」という塩⼦の台詞は、すべての人が肝に銘じておくべき至言だと言えます。
「呪い」を払う
「嫉妬心」「心の三毒」「慢心」は多くの人が持ってしまうものですが、呪いの発生源にもなります。
「自分さえ良ければそれでいい」という自己中心的な考えも呪いとなり、相手や自分も不幸にしてしまいます。
人を呪い続けているのならば、生きているうちに神仏の善悪を知り、呪いをはね返す心構えを学ぶことが大切です。
呪いとは、人の不幸を願う心です。映画『呪い返し師―塩子誕生』を観て、人の不幸を願う心ではなく、人の幸福を願う心を目指していきましょう。
「呪い」を学ぶオススメ書籍
映画は象徴的なものである。しかし、人の生き方には、善悪が、はっきりとある。それは、天上界に神仏がいる以上、その意向に合っているか、反しているかという基準があるからだ。(「まえがき」より)
作品コンセプトから、斬新なアイデア、そして神秘的なクリエイティブの秘密まで。
映画で明かされる真実を、より深く実感できる一冊!
自分から発生する「呪い」をどうコントロールし、他人から受ける「呪い」をどのように防ぐか。これが人生修行の一つの側面だし、簡単ではあるが、「悟り」の一面である。(「あとがき)より)
なぜ「呪い」は発生するのか?
どうすれば「呪い」から逃れることができるのか?
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人生の幸福を壊し、健康を害する悪しき念いを受け続けないために。
そして、あなた自身が嫉妬や憎しみから他人を傷つける念いを発しないために。
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自分自身が生霊とならぬためには、自制心と、謙虚な心、日々精進する姿勢、神仏への信仰心が重要である。(「あとがき」より)
「生霊」とは何か――その発生原因から 具体的な対策、そして自分自身が生霊にならないためのポイントまで。
心と霊的な作用の秘密を解き明かす。
もはや「呪い返しガイドブック」 そう思えるほどの充実コンテンツ
なぜこの作品が制作されたのか。新ヒーロー塩子に託した思いとは——製作総指揮・原作の大川隆法総裁のコメントをはじめ、呪いの解説、心の教え、呪いを返す智慧や修法など、鑑賞前も後もためになる内容ばかりだ。また企画・大川紫央総裁補佐のインタビューでは、塩子誕生のきっかけとなった生霊との対峙、実際の呪いの払い方など、本書だけの秘話も。監督・出演者コメントや楽曲紹介も収録。