信仰なしに、正義は打ち立てられない
メシアの仕事は、人類の価値観を引っ繰り返していくこと
昔とは違い、現代は、メシア的存在を認めてもらうということはかなり困難な時代に入っていると思います。日本人にはなじみは薄いのですが、英語では“Messiah”です。「救世主」と訳されるのが普通ですが、救世主というと、何となく、「世の中のいろいろな不幸・災難から人々を解放したり、導いたり、新しい時代をつくったりするというような仕事かな」と思われるでしょう。
もともとのメシアも、そういう面も持っていますが、原義としては、「頭に油を注がれし者」というような意味があります。誰からかというと、神からです。神から油を注がれるのです。(中略)
「神に油を注がれし者がメシアになる」ということで、これはある意味での「選ばれし者」であることは間違いありません。(中略)
メシアが出てくるときは、たいてい、地上において大きな価値観のぶつかりが起きているときになりますので、人々の多くが「何が正しくて、何が間違っているか」という善悪を峻別することが、とても難しい時代であろうと思います。
たいていの場合、多数が持っている見解や意見であれば、別にそうした「神によって選ばれし者」が出てこなくても、この世的には実現することが多いので、そういう必要はないわけです。
ですから、出てくる場合は、たいてい、「まだ誰も言っていない、あるいはまだ少数の人しか支持していないような思想や考えを率いて、それを大きなうねりに変えていき、世論というか、人類の価値観というか、そういうものを引っ繰り返していく」というような仕事になることが多いと思います。
世間の常識と異なっても、「正しさ」を示すのが宗教家
どのようなときにおいても、「こう考えるのが正しい」と述べて、その時代の価値判断を示すことが宗教家の仕事なのです。たとえ、それが、世間の常識や、他の大きな団体の考えや、学問的なものの考え方などと違っていたとしても、宗教家として「正しい」と思うことは述べなくてはなりません。
「幸福の科学にとって、それが有利になるか、不利になるか」ということについては考慮することなく、「正しい」と思うことを述べるのが、自分の使命であると考えています。
神は、地球レベルで人類全員の幸福を願っている
神は、「それぞれの国の繁栄」と、それから、「同時代に共存している、関連のある国々が調和していけるような繁栄」を願っています。
それが、考え方の違いによって、対立したり、矛盾を起こしたり、激しい戦争になったりするようなら、やはり、これを調整し、平和化していくための調整原理が働き始めます。(中略)
神は、「できたら、『最大多数』ではなく、『全員の幸福』を実現したい」と思っています。そして、実現できていないことに対しては、常に、さまざまなリーダーを地上に送り込んで、実現しようとしているのです。そうした、いわゆる「神のマネジメント」が、地球レベルで行われているのだということを知ってください。
この世を超えた「正しさ」が、勇気と行動力を生む
人は、人間心を超えた「正しさ」というものがあると思えばこそ、謙虚になり、この世の権力闘争などの権謀術数的な戦いを超えて、普遍的で永遠の「正しさ」とは何かを求める、崇高な心を持ち続けることができます。
しかし、そういう考え方を持たなければ、この世において、「長いものには巻かれよ」「強い者に対しては、争わずに、従うほうが得策である」「正しいことであっても、言わないほうが自分自身の得になる」というような考え方が当たり前になり、「勇気を持って提言し、世の中を変えていこう」とする人が、非常に少なくなっていくと思うのです。
現状として出来上がっている、政府だとか、法律だとか、そのような大きな体系を乗り越えて、未来社会を構築するためには、勇気ある行動が必要です。そして、それだけの「勇気と行動力」というものは、やはり、この世を超えた何かを信じなければ、生まれてこないのです。
地球的正義の実現に向け、「正しい生き方」を伝えよ
地球人類が、今、八十億人近い人口になろうとしているなかで、
半分以上の人たち、過半数が、間違った思想を持ち、
要するに、信仰を持たない世界をつくろうとしているのなら、
これに対する反作用が始まりますので、
「その前に人類の考え方を変えていきたい」と思っています。
私は、それが「救世主の仕事」だと考えています。
今回は仕事が重い。
世界の国の数がかなり多く、広いのです。
また、こんなウィルスがたくさん流行っている時代は、
自由に動けない時代です。
しかし、どんなことがあっても、
思想は、そのなかを貫いて広がっていくべきだと思っています。
どうか、信仰心を中心に、
「人生」と、それから「自分たちの仕事」を組み立てていってください。
そして、人間としての正しい生き方を一人でも多くの人に伝えてください。