退社独立から繁盛のコツをつかんで20店舗のコンビニオーナーに
挑戦を重ねてつかんだ繁盛のコツ 独立し20店舗のコンビニオーナーに!
自社中心主義の会社の経営方針に疑問を持ち、改革を志すも失敗、退社。やがてコンビニのオーナーとして再出発し、20店舗を経営するまでになりました。挑戦に挑戦を重ね、繁盛のコツをつかんだ体験をご紹介します。
(T.Iさん/男性/愛媛県/ 月刊「幸福の科学」No.314 より転載・編集)
お客様に愛される経営こそ私の使命
成果だけを求める日々
20歳で愛媛県のあるスーパーに入社した私は、22歳で店長になり、会社の方針のもとに順調に出世を続けていました。私が勤めるスーパーは、やり手の社長が掲げる「自分のところさえ儲かればええ。どうせ従業員には期待できん。使えんかったら辞めさして新しいのを雇えばええ」という方針に従って、地元で最大規模を誇るまでに成長を続けていました。
しかし、会社の方針のもとに出世し、仕事で認められても、激しい競争のなかで成果ばかりを求め、他人を責め続ける毎日。職場で結婚もし、30歳ごろには複数店舗を任されるまでになってはいましたが、私の心はすさみ、嫌気がさしていました。
衝撃の一言
そんなある日、スーパーを退職した元同僚が幸福の科学の書籍を紹介してくれました。 『太陽の法』 と書かれたその本を読み始めると、私の体に衝撃が走りました。
「この世界は仏神の念いによって創造された」「人間は仏の子である」「人間はこの世に魂修行を目的として生まれて来る」――。そしてとどめは、「愛の本質とは、まず、与えることなのです」。
社の方針に影響されたとはいえ、この強い言葉の前に、私は自分の生き方や仕事の仕方が、恥ずかしく感じられました。「これは一人でも多くの人に読んでもらわないといけない本だ」と思った私は、早速、妻にも読んでもらい、2人で幸福の科学に 入会 しました。
私の使命は、これだ!
幸福の科学で、愛の教えや、その延長上にある「顧客の立場で考える」などの仕事論・経営論を学べば学ぶほど、自分の生き方の間違いが浮き彫りになってきました。この10年、利益さえ上がればいいという方針のままに生きて来た私は、若手店長として、「仕事に年齢は関係ない」と年上の方にもきつい言葉で接して傷つけてきたのです。もう心を入れ替えたいと思いました。
どうすれば人を幸せにする経営ができるのか考えあぐねた私は、幸福の科学の研修施設( 精舎 )で、「人生計画設定」研修に参加。自分の使命を見つめ直し、使命の実現のための計画を立てるその研修で、「愛の教えに基づいた会社の経営者となり、今度は多くの人を幸福にしたい」との願いを計画書に込めました。そして、「自分に使命があるなら、必ず道が拓けるはずだ」と熱い思いで精舎を後にしました。
しかし、日常に戻るとまた同じ仕事の流れ。会社は、自己中心主義がたたり、そのころには、不況のあおりを受け、倒産が近いことは誰の目にも明らかでした。「状況打破には、お客様に愛される経営が必要だ」と考えた私は、職場の方々にも幸福の科学の経営論を伝え、考え方を変えてもらうため、クビを覚悟で職場で伝道を開始。そしてそれは社長の逆鱗に触れ、妻とともに解雇される結果となりました。
諦めない。挑戦し続ける。
覚悟の上とはいえ、小さな子供と住宅ローンを抱えた私を待っていたのは、販売や営業、新聞配達の日々。妻も家計を助けるために働きに出ました。そうした日々のなかでも、研修で描いた、「愛に基づき、人を幸せにする経営者になる」という強い思いは、どうしても抑えられません。耐えに耐え3年――。遂に転機が訪れました。
新聞配達中に、コンビニのオーナー募集の広告が目に留まったのです。20年以上の小売りの経験と、自分には一番向いているという情熱をぶつけたところ、なんとかコンビニオーナーとしての道を許され、N市内に一号店をオープンする運びとなりました。
(やっと思いを実現できる!)
私は、全国で多数の経営者の信者が学ぶ、幸福の科学の 四正道 (愛・知・反省・発展)という考え方に基づく数々の経営理論を実践することにしました。
人の心を動かすもの
しかし、現実は甘くはありません。コンビニはスタッフのほとんどがアルバイトです。開業当初は、スタッフのモチベーションも低く、勤務でのシフトに突然穴があいて、私たち夫婦が24時間連続で働かなくてはいけない状況が続き疲労困憊(こんぱい)。店の雰囲気も次第にぎくしゃくしていきました。
スタッフに要求レベルの仕事をしてもらえない葛藤もありましたが、自分を鍛えるチャンスだと前向きにとらえて、「何が出来るか」「どうすれば出来るのか」を考えることにしました。
(絶対諦めない。今こそ、粘り時だ!)
私は、大川総裁の書籍を参考に、一人ひとりに時間をかけて接客における愛の教えを熱を込めて語りました。「お客様を喜ばせたい」という思いを何度も何度も真剣に語ると、スタッフも私の言葉を信じて、それぞれが努力をしてくれるようになりました。
もちろん「愛」だけでは経営はできません。商品知識や発注・陳列、全体のオペレーションなどの「知」も重要な経営資源です。また「反省」の教えを「検証」と位置づけ、コンビニにとって死活的な発注業務について、その数や時期、タイミングを、何度も商品ごとに改善を繰り返し、手堅く売上を伸ばす「発展」を目指して、 四正道 の経営を追い求めました。
「行列ができるコンビニを作ろうよ!」
何度呼びかけたか分かりません。3カ月もするとスタッフがアイデアを出し始め、次々と改善提案をするようになり、笑顔で活き活きとし始めました。店の雰囲気は完全に変わり、売上げは以前の約2倍に。何よりうれしかったのは、その実績を見て、本社から次々と新規出店の話が舞い込むようになったことです。その後もスタッフが着実に育ち、それによってお客様も増え、新規店舗の売り上げも順調に伸びていき、7店舗目の出店時に会社を立ち上げることに。気づけば4年が経ち、わが社は四国で20店舗のコンビニ運営を任されるまでに成長していました。
お客様の幸福を願って
振り返れば、人生で一番苦しい時期に立てた人生計画が、前倒しで実行されていました。愛を与えるという発想の転換をしてよかった。挑戦を続けてよかった。そう思います。
苦しかった経験も、「人として愛を与えて生きることの大切さ」と、「経営における商売繁盛のコツも結局はお客様を幸福にすることだ」ということを私に教えるために与えられた問題集だったのだと思います。
私の夢は、「お客様の幸福が自分の幸福だ」と思えるスタッフを大勢育て、新規店舗を増やし、やがては海外へと出店することです。次の夢に向かってまた挑戦を続けます。
自分の理想像を、繰り返し、心のなかで描けるか
『未来の法』(大川隆法 著/幸福の科学出版) より抜粋したメッセージ
理想像を心に描く力こそあなたの才能
心の奥深いところから繰り返し何度も出てくる思いや、「ふと気がつくと、そのことを考えている」というような思いを、心のなかに深く長く描き続けていると、いつしか、そのとおりになっていきます。そういうかたちで自己実現はなされていくのです。
みなさんは、このことを信じたほうがよいでしょう。信じなければ、そのようにはなりません。まずは、自分の理想像を繰り返し心のなかで描くことが大事です。それを繰り返し心に描く力があるかどうか。それが、実は、あなたの才能でもあるのです。
理想像は人生の旅の「目的地」
才能とは、ある分野において何事かを成し遂げるために、その人が生まれつき持っている性質や能力、気質のことですが、そうした才能がなければ、理想像を繰り返し心に描くことはできないだろうと思います。要するに、「理想像を繰り返し心に描く力がある」ということは、「理想像を実現するだけの才能がある」ということを意味するのです。やはり、理想的な自己像を繰り返し心に描く力を持っていない人が、ある職業において大きな成功を収めることはないでしょう。心に繰り返し描く理想像というものが、実は、人生の目的地であり、目標なのです。その目的地に向かって、人生の旅は進んでいくわけです。
(経典『未来の法』より)