内戦の心の傷
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内戦の傷を癒した「許し」の教え
幸福の科学 には約100カ所の海外拠点があり、170ヶ国以上の国々で信者が活動を続けています。なかでもウガンダは、 アフリカ大陸初の支部精舎 が落慶し、2012年には大川隆法総裁が大講演会を行うなど、アフリカ伝道の中心地となっています。内戦で心に受けた苦しみを手放し、伝道活動を続ける、ある男性のストーリーを紹介します。
(ベリーさん/男性/ウガンダ/書籍『大川隆法 ウガンダ 巡錫の軌跡』より転載・編集)
親族15人を亡くした私が巡り合った「神の答え」
不幸な知らせ
2004年5月、出張中の私に弟が電話をかけてきました。
「兄さん、落ち着いて聞いてくれ。一昨日、反政府軍の奴らが町にやって来て……おばあちゃんやおじさんたちが皆殺しにされたんだ!」
ウガンダでは、1980年代から政府軍対反政府軍の戦闘が繰り返され、多くの民間人が犠牲になっていたのです。20年以上続く戦火で、人の死は当たり前のようになっていたのですが、自分の身内に不幸が及ぶとは思いもよりませんでした。私は震える手で受話器を置くと、(嘘であってくれ、何かの間違いであってくれ)と心で祈りながら、混乱を極めた町に車を走らせました。
変わり果てた町
到着した町に広がっていたのは変わり果てた町の姿でした。家々の壁には鮮血が飛び散り、死臭が漂い、人の泣き叫ぶ声が絶え間なく聞こえています。(もうたくさんだ、やめてくれ!)と思いながらも、現実は容赦なく押し寄せてきます。難を逃れた人たちからの話をまとめると、3日前に反政府軍が突然町に入り、一軒一軒家に押し入って銃を乱射、住民を殺害したというのです。私の親族は、反政府軍に銃を突きつけられて住居に閉じ込められた上で放火されたのです。その日、町で殺された住人は56人。そのうち15人が私の家族。私は反政府軍が虐殺をした理由を聞いて驚きました。単なる見せしめにしかすぎなかったというのです。怒りと憎しみと、それを上回る悲しみが私の心に押し寄せました。
教会での祈り
その日以来、懇願にも似た祈りを、教会で捧げることが私の日課となりました。「同国人に殺された人の魂よ。どうか天の御国で幸せにお暮らしください。天なる父よ、地で苦しんだ彼らが、せめてあなたのもとでは幸福になれるようお導きください」と。しかし、時が経つほど、町での生々しい記憶はフラッシュバックして私の胸を締め付けてきます。教会へ通って祈っても答えが得られるわけではなく、ひたすら神にすがるしかありませんでした。6年が経ち、身辺は穏やかさを取り戻したかのように見えましたが、心に刻まれた裂け目は日々深まっていくばかりでした。
「神の答え」に巡り合えた
そんな私に人生を立て直す機会が巡ってきたのは、私が経営するホテルのホールで、あるセミナーが開催されたときのことです。それがハッピー・サイエンスとの初めての出合いでした。(ここは、どんな教えを説くのかな?)という軽い興味から、話を聴いてみることにしたのです。セミナーの講師は日本人でした。彼はハッピー・サイエンスの支部長で、この地には内戦で心に深い傷を負った人が多いことを配慮しながら、話をしていました。彼の話はこうでした。
「人間は、この世とあの世を行き来して、転生輪廻を繰り返す存在で、その目的は、どんな環境でも愛を与えられる天使になることです。愛は、与えれば与えるほどに、与えた人自身に幸福をもたらします。『与える愛』は、飢えて乾いた心を潤し、傷を負った心を癒し、罪深い人に許しを与えることになります。争い、貧困、病気など、さまざまな苦しみがこの世にはありますが、憎しみや悲しみ、恨みの思いを、みなさんの掌から解き放ってください。どうか、どんな環境であっても愛を与えることから始めてください。主エル・カンターレは、私たちに、人を愛し、生かし、許せと命じられています」
「愛」と「許し」
その言葉は、過去に縛られ、閉ざされていた私の心の扉を力強く叩きました。私が求めても沈黙でしかなかった神様の答えを、見ず知らずの日本人が教えてくれたのです。
(今まで得られなかった祈りの答えがここにある。これが神の答えだ!)
私は奮い立つような思いでした。もはや私にとって、「過去」も「敵」も何の意味もなくなりました。ただ、「自分も他人も、一緒に幸せになりたい」という思いだけでした。そして幸福への道は、目の前にあったのです。1時間のセミナーの後、私は迷うことなくハッピー・サイエンスのメンバーとなりました。ちょうど家族を失ってから6年目の出来事です。
内戦の傷を信仰で癒す
セミナーの翌日から、私は仕事のかたわら、地元の人たちにエル・カンターレの存在を伝え始めました。このウガンダ北部には内戦で犠牲になっていない人はいません。みな、目に見えない傷で苦しんでいて、その辛さはわがことのように思えたのです。一刻も早く心の解放感を知ってほしいとの思いで、いてもたってもいられませんでした。
「今、平和と愛を実現し、この地を再び一つにしようとしている神が日本に生きています。エル・カンターレといって、イエスが『天なる父』、ムハンマドが『アッラー』と呼んだ方です。もしあなたが苦しみのなかにあるのなら、どうかエル・カンターレに祈ってください。どうかエル・カンターレを信じてください」
そして毎週土曜日にサタデー・サービス(土曜礼拝)を開催し、来場者にエル・カンターレに祈るよう呼びかけていきました。
心のトゲが抜ける瞬間
入会から3カ月後、私が経営するホテルの一室をハッピー・サイエンスの布教所に提供させていただき、開所式を行いました。伝道を通してエル・カンターレを信じる人の輪はウガンダ北部に広がっていきました。そしてさらに1年経った2011年8月、首都カンパラにアフリカ大陸初のハッピー・サイエンス支部精舎が誕生したのです。落慶式には、アフリカ全土からハッピー・サイエンスの仲間が駆けつけ、祝福してくれました。集まった仲間たちと一緒に祈りを捧げていると、感謝の思いが絶えずこみあげてきて、みなと抱き合って喜びあいました。このアフリカをエル・カンターレ信仰で満たしたい。愛と許しの神、エル・カンターレよ、あなたの御教えを伝えることは、今や私にとって、この上ない幸せとなっているのです。
新しい時代は許しから始まる
『 The Light of New Hope 』(大川隆法総裁英語法話)より抜粋したメッセージ(英語和訳)アフリカの人々はもっともっと幸福になれる
アフリカの人々は、ここ数世紀、不幸な時代を経験しました。しかし、それはあなたがたのせいではありません。あなたがたには、可能性が秘められています。あなたがたは、世界のリーダーとなることができるのです。あなたがたの時代、新しい時代が来るのです。その新しい時代は、許しから始まります。ですから、未来を向いてください。自らの前を見てください。あなたがたはみな、もっともっと幸福になることができます。私はすでに、数多くの奇跡を起こしましたが、ここでは、この国、この大陸においては、私は本当の奇跡を起こします。