北海道札幌市で、夫と2人の娘と暮らしていたSさん。
ある日、40代で働き盛りだった夫が急逝(きゅうせい)し、孤独と不安で涙に暮れるように・・・。
そんなSさんが笑顔を取り戻し、新しい人生を踏み出すまでの軌跡をたどります。
(Sさん/女性/月刊「幸福の科学」第366号より転載・編集)

体験談パパ、天国からちゃんと見ていてね

今から3年前の2014年1月14日のこと。
当時、看護師だった私は、半日の勤務を終えて昼ごろ自宅に戻りました。

「ママ、おかえりー」
「ただいま。お姉ちゃん、今起きたの?パパは病院行ったかな?」
「うーん。わかんない」

ここ数日、主人は頭痛がひどく、今日は病院に行くと言っていたのです。
リビングに入ると、主人はソファで横になっていました。
「あれ、パパ、病院は・・・?」

寝ている主人の顔を見て、ハッとしました。
顔つきがいつもと違っていたのです。
「パパ・・・!!」

とっさに脈をとりましたが、手首からは何も感じ取れません。
首にふれると、わずかな脈が―。
急いで救急車を呼びました。

「お姉ちゃん、病院に行くから準備して!」
救急車が着くまで、何とか主人の命をつなぎとめようと、必死の思いで人工呼吸や心臓マッサージを行いました。
でも・・・

「奥さん、残念ですが、御主人はもう―」
病院へ運んでもらったものの、すでになすすべもなく、
主人はそのまま帰らぬ人となってしまったのです。
病名は、急性くも膜下出血。

まだ、49歳でした。
(パパ、どうして・・・)
悲しみに暮れる間もなく、さまざまな手続きや方々(ほうぼう)への連絡、葬儀の手配など、やるべきことが押し寄せてきます。

いろいろ相談したくて、友人のYさんに電話をかけました。
Yさんは、家族ぐるみでお付き合いしている幸福の科学の法友(ほうゆう)(※)です。

「もしもし、Yさん? 今、主人が・・・」
「えっ、本当!?とにかくそっちへ行くわ 」
Yさんは私の代わりに、保育園に預けていた次女を迎えに行き、警察の事情聴取にも付き添ってくれました。

「ママ、パパはどうしたの?」
「あのね、パパは、天国に還(かえ)ったんだよ」

当時、長女は小学3年生、次女は年長でしたが、幸福の科学の教えを通して「人間は死後、魂となって霊界で生き続ける」と知っていたので、幼いなりに父親の死を受け止めているようでした。

私にしても、もし幸福の科学で学んでいなかったら、心が折れていたと思います。
幸福の科学では、人間は本来、天国に住んでいて、時折(ときおり)、魂修行のために地上に生まれて来ることや、人生の途上で経験する苦難や困難は、各人が修行課題として”人生計画”に織り込んで来るということを教わります。

(これも、パパと私の”人生計画”だったのかな)
そう考えることで、主人の死を、いくらか冷静に受け止めることができました。

お通夜や葬儀などが過ぎて、やっと一息ついたころ、
地元の幸福の科学の皆さんが「お別れの会」を開いてくれました。

「Sちゃん、大変だったね」
「一人じゃないからね。何でも相談して」
「はい。ありがとうございます・・・」

皆さんの優しさに支えられ、私は(とにかく頑張るしかない)と心に決めたのです。


※法友:同じ法を学び、学びについて語り合える仲間のこと。

泣き疲れた夜に

しかし、母娘3人の生活が始まると、主人のいない寂しさが身に染みるように―。
「ママは仕事に行ってくるね」 

休日出勤の日は、娘2人を家に残して出かけなければいけません。
次女の卒園式や入学式でも、一緒にいるはずの主人の姿はなく、PTAの役員を引き受けるかどうか、そんな相談をすることもできないのです。

(ほんとに1人になっちゃった・・・)
夜、娘たちを寝かしつけて1人になると、主人の思い出が次々とよみがえります。

「Sさんには、幸せになってもらいたい」
主人はよく、そんな言葉をサラッと口にしました。
いつも優しくて、自分より他の人を優先する温かい人でした。
(私がもっと早くに気づいていれば・・・)

看護師でありながら、主人の不調に気づかなかった自分が許せません。
(私1人で、子供を育てていけるのかな)

職場ではもちろん、娘たちの前でも悲しい顔は見せないようにしていましたが、1人になると、どうしても涙があふれてきます。

そんなある夜のこと。
泣き疲れて、ふと顔を上げると、御本尊(ごほんぞん)が目に映りました。
(あっ・・・。そうだ、私は―)
御本尊の光が、不安と悲しみでいっぱいになった私の心を、照らしてくれたように感じたのです。

(そうだ。私は1人じゃない。神仏がいつも、そばにいて見守ってくださるんだ)
そう思った瞬間、何ともいえない安らぎに満たされました。

不思議ですが、「私も、子供も大丈夫」、そう確信できたのです。
信仰というものの力を、実感した出来事でした。

もう一度会えた日

信仰を支えに、仕事に子育てに忙しく過ごすうち、あっという間に1年が経ちました。
(お彼岸には、主人の供養をしよう)
15年3月、私は北海道正心館の「先祖供養大祭」に参加し、主人のために「愛念(あいねん)供養祈願」を受けることに。

その祈願式のなかで、とても神秘的な体験をしたのです。
目を閉じて主人のことを思っていると、胸に熱いものが込み上げました。
すると・・・

―Sさん、ありがとう―
主人の霊が現れて、私に微笑みかけました。
そして私の肩にそっと手を触れたのです。

―子供たちを、よろしく頼むね―
その瞬間、涙があふれました。

体に気をつけて。
あんまり無理をして頑張ることはないよ。
僕は天国へ還るけど、ずっと照世さんの幸せを願ってるよ―

主人はそう言うと、光に包まれて天高く消えて行ってしまいました。
(パパ・・・!)
再会の喜びと切なさ。
そして神仏への感謝があふれて、涙が止まりませんでした。

新しい扉を開いて

供養大祭での神秘体験のあと、私は、精神的に強くなれた気がします。
悩んだときは御本尊にお祈りし、大川隆法総裁の書籍をひもといて解決方法を学びます。
休日には、よく母娘三人で正心館に宿泊し、雲水(うんすい)修行(※)もさせていただきました。

そんなふうに信仰を中心に生活していくうちに、1人で不安に泣くこともなくなり、周りの友人から「ずいぶん変わったね」「明るくなったね」と言われるように。

そんなある日、正心館で法友たちと話していたとき、将来の夢が話題になりました。
「Sちゃんの夢ってなに?」
そう聞かれたとき、口をついた言葉は・・・。

「私、本当は保育士になりたかったんです」
それは長年の夢でした。
でも、今となってはさすがに遅すぎると思っていたのです。

「Sちゃん、やってみればいいよ」
「ええ!? でも・・・」
私が諦(あきら)めていた夢を、皆は大切に受け止めて、「挑戦するべき」と勧めてくれます。

その出来事が転機となり、私は夢に向かって一歩を踏み出すことができました。
今は保育補助の仕事をしながら、資格取得の勉強に励んでいます。
保育士の仕事を通して、世の中のお役に立ちたい。

そんな希望を胸に、忙しいけど充実した日々を送っています。
これもみな、信仰と法友のおかげ。
主人と天国で再会できる日を楽しみに、頑張っていきたいです。


※環境整備や行事運営の補助などを行い、心を磨いていく修行。

◆この記事は、月刊「幸福の科学」第366号(2017年8月号)に掲載された体験談をもとに編集しています

書籍で学ぶ先祖供養における注意点

『永遠の生命の世界』(大川隆法 著/幸福の科学出版)第4章先祖供養の真実より抜粋したメッセージ

「奪う愛」へのすり替え

「先祖を供養したい」という子孫の念が、愛念として実る場合はよいのですが、そうではない場合があります。

それは、子孫の側、生きている人間の側が、何とか救われたくて供養している場合です。

たとえば、「学業が不振である」「事業が不振である」「会社で出世しない」「恋愛が成功しない」「子供に問題が起きた」などということがあると、
「これは先祖が迷っているからではないのか」と考え、自分たちが幸福になりたくて一生懸命に先祖供養をしていることが、数多くあります。

ここに、微妙ながら、すり替えの起きる可能性があります。
供養というものは、本来は「与える愛」であるにもかかわらず、子孫の側が、わが身かわいさ、浮世の生きやすさのために、「先祖が悪さをしないように」という思いで供養していると、そこに「奪う愛」が生じやすいのです。

その結果、無反省な人間が生まれ、供養される側と供養する側が同質になることがあります。

供養される側が天国に行っている場合であれば、そういう問題は起きませんが、先祖が、あの世で悪霊となり、迷っているような場合は、子孫が欲得の心で先祖供養をすると、両者はほとんど同質なので、完全に通じてしまうのです。

供養される側が天国にいる場合、先祖供養は、「先祖のあの世での修行が、いっそう進んで、先祖が、より高い世界に入ってくれますように」という願いであり、
「子孫の私たちも、これだけ努力しておりますから、おじいさん、おばあさんも、そちらで、いっそう悟りを高めて、もっともっと高い境涯に上ってください」というエール(声援)でもあると思います。

そして、子孫の勉強が進めば進むほど、「私の子孫は、こんなに頑張っていて、世の中のお役にも立っている」ということになり、先祖も、あの世で光を得て、徳が生じてきます。

「おたくの子孫は、なかなか感心ですね」と言われて、あの世で近所の評判が上がりますし、そうした子孫を見ているうちに、「自分も、もっと頑張らなければ」という気持ちになって、さらに悟りが進むことになります。

そうした意味での、よい先祖供養はありうるのです。

※この記事は、月刊「幸福の科学」第366号(2017年8月号)に掲載された体験談をもとに編集しています

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